ポケットガイガーKITつくったった #mtm07
いろんな面白いモノを作っちゃう人たちのお祭り
Make: Tokyo Meeting 07(MTMT07)に今年も参加しちゃいました♪
・・・見る側ですけど。
イベント概要はこんな感じ。
プログラム(pdf)
出展者一覧(pdf)
出展者は個人から企業まで、内容は電子工作から毛糸などを使ったクラフト系までと"面白い何か"を作る人たちが集まった催し。
会場内の展示とあわせて、ワークショップも沢山開かれているのですが、今回はそのうちの1つに参加してきました!
非営利プロジェクト「radiation-watch.org」さんが販売している、放射線を測るポケットガイガーKITこと「ポケガ」
なんとなんと、お菓子のFRISKケースに装置を入れて、iPhoneやiPod touch、iPadのアプリから結果を見ちゃおう!というもの。
こんな感じ↓
MAKE: Japan : MTM07 - radiation-watch.org
ワークショップでは、実際にこのキットを組み立てて見ました。
フリスクのケースからケーブルを引き出すため、ケースに加工が必要なんですが、加工済みの組み立てキット販売(\500)してたらしい。
らしい、といのは私が行ったときは既に売り切れ。
私だけケースなしで参加してきましたよ。
ポケットガイガーKITの簡単な仕組み
以下ワークショップのメモ。
(間違ってたらごめんなさい)
・放射線がぶつかった時のぷちぷちという音を検出し、イヤホンをつなぐコネクタからiPhoneなどに送ってカウント
・検出にはPINフォトダイオード(これがセンサー)を8個使っている
・さらにオペアンプで2段階に増幅
・センサー(PINフォトダイオード)をアルミホイルなどのシールドで覆うことにより、ガンマ線だけをカウントするようにした
(10円玉をおくだけでもOK)
・値は計測時間の平均値を出している。
20分以上測っている場合は、現在から20分前までの平均。
20分以下なら測定時間の中の平均値。
・東京だとだいたい0.05マイクロシーベルト/時 くらいと小さい数値のため20分くらい計測した後の数値だと誤差が少なくなる
→ 詳しくは公式のユーザーガイドで
マイクで声を拾うように、ガンマ線のぶつかった音を聞こうと思えば聞けるそうです。
(会場のスピーカーの関係で、聞くことができなかったのが残念・・・)
ポケットガイガーKITの特徴
・PINフォト式のため安価でキットを作ることができる
・音をカウントする方式のため、振動や衝撃に弱い。
ちょっとした音を立てるとそれも記録してしまう。
↑これは意図的にフォトダイオードの上をたたき続けてみたものです。
あまりにヒドイと上記のように「ノイズ」と警告が出てしまいますが、やさしくたたくと警告が出ずに高い数値を表示してしまいます。
動作確認DA!
ということで、実際に組み立てた後は動作確認!
ってことで、会場には飯館村付近で採取された土が登場。一般の人でも立ち入れる場所で採取されたとか。
タッパーに入っていて、さらに金属ケースに入ってました。
"気になる人は1m以上離れれば大丈夫ですよー"と一応解説もアリ。
やっぱり作ったら試してみたいじゃないですか?!
ってことでかぶりつきでみてきましたよ、っと。
写真みたいに、皆さん完成したキットをケースの上において測定開始♪
私が測った結果は・・・
※注意!
上記は、キットにシールドをつけず、かつセンサーを土に近いほうを向けて意図的に高い数値を出すようにした結果です。
測定時間も30秒ほどなので、あまり当てにならないかも。
それでも、自宅で20分ほど測った値↓と比べるとかなりの数値ですよね。
開発秘話など
Q.なぜフリスクのケースなのか?
A.独自ケースを作ると金型代が100万以上してしまうから。
震災後、なるべく早く多くの人に安価で提供できるようにしたかったため、とのこと
Q.PINフォトダイオードが8個?
A.この数が今のところ一番よさそうな数だから。
SN比?が良さげ。
Q.部品を良いものに変えたら性能は上がる?
A.上がる、が値段が上がってしまう。
4千円以下の装置を作りたかったので現在の構成に。
現在はエアコンのリモコンのようなものに使われている部品を利用しているが、専門用途の部品を使うと+1,000円くらいになってしまう。
しかし、性能は4倍くらいしか上がらない。10倍以下だと体感的にあまり大差がないように感じるため、あえて高い部品は使っていない。
質疑応答など
最後に、講師(開発者)への質問タイム!
なんと受講者に本職のプロの方のいらっしゃったようで、なかなか面白いことに。
特に面白かったコメントとして
モニタリングポストの数値は、計測された高さにも注意!とのこと
これは、放射線が地面に近いほど高い値が計測されるためだそうです。
一般的に土から離れるほど(2乗くらい)数値は小さくなるようです。
一方、モニタリングポストが計測している位置は、場所や自治体によって違うらしく、50cmや1mのところから3cmのところなど、様々とのこと。
なので、数値が高い/低いのに自分の結果と違う!となっても測る高さも気にしたほうがよいそうです。
自分の装置でモニタリングポストと同じ場所で測ってみるのも面白いですよ、とのこと。
アプリについて
無料版だと現在の計測結果の数値が分かります。
有料版にすると、計測結果のログが取れたり、装置の回路図を見たり、地図上でデータをシェアしたりすることができます。
(閲覧には情報共有を許可する必要アリ)
面白そうなので買っちゃったw
現在はiPhoneなどApple社の機器向けアプリしかないようですが、今後は他のデバイスにも対応を予定しているようです。期待ですね!
ケースの加工について
以下は自分で作ってみて気がついたことなど。
ケースを削るのは、ニッパーがあったほうがいい。
私は持っていなかったため爪きりとカッターで削りました。
バリがひどいけどw
イヤホンジャック?はケースに対して結構大きいのでかなりケースを削らないといけない感じ。
ケースの削る位置を大体でいいのでペンでマーク
↓
マークの辺りを爪きりで縦に切れ目を入れる
↓
ラジオペンチで少しずつねじり切る
(無理にひねると削りたいところ以外にも力がかかるので注意!)
↓
大き目のカッターで縦の切れ目に沿って削っていく
こんな感じで徐々に穴を大きくしていきました。
カッターで削るのに難儀するかと思いましたが、意外と軽い力でも削っていけました。
公式のマニュアルはこちら
RADIATION WATCH: Assembly manual 1.FRISKケースの加工
β線シールドの作り方について
アルミホイルを使うシールドを作ってみました。
だいたい公式マニュアルどおりでできました。
が、キットの基板自体にも購入したときに一応シールド的な銀紙?が貼ってあり、この時点で、ケースの長さにぴったりの状態でした。
マニュアルでは、アルミホイルを2つ折りにして基板をはさむよう指示がありましたが、私の基板では挟んでしまうとケースに入らなくなりました。
(高さはOKでケースが閉まりそうでしたが、「く」の字のでっぱり部分の厚さでケースより長くなってしまった)
たまたま私の購入したキットのサイズが大きめだったからかもしれません。
ということで私の装置は上下をアルミホイルでサンドイッチする形になっています。
組み立てキットの方も金属板2枚ではさむ感じで作っていたから、ま、いっかな、と。