鋳物体験で錫のぐい呑みを作った!

前々から興味のあった鋳物の体験をしてきました。
富山県高岡市はんぶんこさん。


高岡の伝統産業を体験「錫のぐい呑みをつくる鋳造体験」 | はんぶんこ
高岡市は錫や銅などの鋳物が有名です。


友人とくっだらない話をしながら作ってきました。
とっても楽しかったです♪



ますこれが今回使う鋳造セット。



大体の流れは教室の壁に書いてあったので割愛w
器の形を、上下の型を使って作り
そこにドロドロに溶けた錫を流し込む。


溶けた金属のことを「お湯」というらしく
お湯が通る道=湯道(ゆみち)を作ってあげる。



まずは下の型を作ります。
樹脂製の型と、湯道となるパーツを底に敷きます。



石灰(たぶん)の粉を振りかけます。
あとで型を取り出しやすいように。


友人:エビフライの衣をつける時につける小麦粉みたいな感じ?



型となる土。ルトロンサンド?とかいう鋳物に適した砂らしい。
砂の中に油が入っていて、ぎゅっと握ると固まりやすく
手でほぐせばさらさらに。


私:室内で砂遊びができる砂でこんなのあるらしいよ
友:”室内で砂遊び?!”不思議な単語の組み合わせだー
  砂が室内?現代っ子はすごい!



型の周りは細かい砂のほうが良いので、ふるいで漉す。
ダマにならないように。



こんな感じ。



器の周りは特に慎重に、ギュギュっと押す。
ここがちゃんとしていないと、型をひっくり返したときに
形が崩れてしまって、一からやり直しに。


友:神は細部に宿るってやつ?
私:あー、なんかそんなコトワザ?あったよね(適当)


といっても先生がちゃんとチェックしてくれるので
安心です♪



型枠の上まで土を持ったら、さらに押し込む。
かなりの量の土を入れています。



木の板を使って表面を平らにします。
スキージー(ヘラ)代わり?盛り上がった部分を削りとる感じ。



慎重にひっくり返すと…。
底に敷いた器と湯道が出てきた!
土がみっしり詰まっているので結構重たい。



次に上の型枠を置いて




また石灰を振りかけます。
それから湯道の上に、今度は錫を流し込むための
管となる部分を作るためにパイプを置きます。



パイプの位置がずれないように、高い位置から
土を振りかけます。


私:オリーブオイルどばどばかける料理番組でやってる
  高いところからの塩をファッサーって感じかな?
友:あの番組ってまだやってるの?
私:さぁ?朝はTV見てる暇がないから(大体寝坊)



器の周りとパイプの周りも慎重に固めていきます。


友:これ全行程の何割くらい終わりました?
先生:三分の一くらいですかね
友:結構大変ですね…
先生:この後錫を流し込むまで(2/3完了)は一気に終わりますよ



下枠と同じように上の型枠も押し固めます。



上枠を外して、下枠に入っていた樹脂の型を取り外します。
キリを樹脂にちょっと打ち込むと、スポっと外れます。



こんな感じ。きっちり形がついていてよかった。



先生に、湯道と器の間を削ってもらい
錫が流れ込むようにする。


私:遺跡の模型とか酒船石っぽくない?
友:ぽいぽい



二つに分けた型枠を一つに戻す作業。
上と下の枠がずれると元も子もない。
真上から、両方の型枠の角が合うように
ゆっくりおろしていく。


ずれたかも?で上げたりおろしたりすると
形が壊れるそうなので慎重かつ大胆に。


どちらが自分のものかわかるように土に
目印をつける。



砂を敷き詰めている間に、先生は錫を溶かしていてくれた。
錫はほかの金属と違って、230度ちょっとで液体になる
(他の金属は400度以上とか)ので家庭用のコンロとかでも
できるとか。


でも換気とか後の処理が心配なので
こういう専門的なスペースで作業したいですよね。


灰汁のような酸化被膜をすくって取り除くと
綺麗な表面になるんだそうです。
取り除いた塊も、もう一度溶かすと再利用できるんだとか。


溶けている錫はすごくさらさらに見えますが
やはりそこは金属。
お玉ですくうとやっぱり重い!!!


友:シュワちゃんが親指立てて沈んでいったのって
  こんなところかなぁ?
私:あれって溶鉱炉だからもっと熱いんじゃない?
  どっちかっていうと敵の警察官が溶けたときみたい
友:あー、わかる



これが錫のインゴット1kg。
200g、300g、500gで分けられるよう線がついている。


インゴットは流石に普通のホームセンターでは
入手できないようです。が、通販では買えるとか。


もちろん本場高岡なので専門の業者さんから
購入しているそうですよ。



一番肝心の錫を流し込むところは一瞬で終わりました
ので、動画しか撮ってません。


型から外したところはこんな感じ。
型から溢れた部分までちゃんと残ってる。


錫は融点が低いので?固まるのも早い。
これは流し込んでから約5分で固まりました。
固めている間は錫を流し込んだ間からうっすら煙が出てました。


軍手をつけて取り出したのですが、
ほんのり暖かかったです。



先生に、湯道と器を糸ノコ盤?で切り離していただく。



それから器のふちをベルトサンダーで削っていただく。


通常こういった工作機械を使うときは手袋NGなんですが
(巻き込まれるから)
手に触れる部分がすべて錫(=金属)のため
持っているとすごく熱くなります。
なので手袋をしているそうです。


先生はよくご存じなので大丈夫ですが
この工程は素人は危ないなと思いました。
ナイフ作った時、持ち手の木すら熱くなったので)



これが粗削りした直後。
これだけでもきれいなのですが、くすんだ部分は
型の砂の形がそのまま出ています。



なので、やすりを使って削っていきます。
気のすむまで。



こんな感じ。


先生:今まで最長の方は3時間くらい削っていらっしゃいました。
   アルミのボウルみたいにピカピカになりました。
友・私:はー、でもこだわりたくなる気持ちわかる。



ピカピカにする方法と、やすりで×しるしを描くみたいに
すると、何とも言えない模様ができます。


私は今回やすりで模様をつける方を選びました。


私:意外に疲れる…半分だけこの模様にしようかなぁ




一生懸命作業している私。
錫は柔らかい金属なのであまり力を入れると器の形が
変形してしまうので慎重に。
結局一周模様を付けました。



模様をつけたら、台所用洗剤で洗って完成!
こんなカワイイ箱に入れてくれます。


開けたときにメッセージが出るのがグッときますね。


先生:日本酒やワインを入れると味がまろやかになります。
私:忘年会の残りのお酒が会社にあったはず。紙コップと比較してみたい!


先生:ポンジュースとかはまずくなるらしいです。
友:えぐみとか取れるからかな?やってみたい!



友人から早速送られてきた写真。
数の子がいつも以上に豪華に見える?!



黒豆もイイ感じ♪


器がひんやりしているのでアイスクリームにも合うとか。
抹茶味とか似合うんじゃないかなぁ。



はんぶんこさんは作業スペースだけでなく
錫をはじめ、高岡ならではのハンドメイド作品が
購入できるショップも併設されています。


ということで、このテトラポットの形をした
”すずテト”を購入。
そのまま飾ってよし、花器に入れておけば
切り花が長持ちするとか。


ちなみにこの”すずテト”も体験で作れるよ!
高岡の伝統産業を体験「すずテトをつくろう」 | はんぶんこ


こっちも魅力的!


帰りに美味しい中華屋さんも教えていただいたけど
お休みでした。残念。


北陸に旅行に行く機会があって、何か作るの好きな方はぜひぜひ!