四則演算からやり直す一陸特(第一級陸上特殊無線技士)合格への道!

無線機の操作や管理などを行うための資格の一つである、 第一級陸上特殊無線技士の国家試験に合格するために やった勉強の方法を記載します。

市販の試験対策本は、解説が簡素すぎ(知識のある方向けのため?)で ちっとも理解ができなかった私でも、運よく1回で合格できました♪
特別な受験テクニックではなく、地道に分からないところをつぶしていった感じですが、何かの参考になれば。

前提知識

これを書いた人の受験前の知識

  1. 学生時代
    電子・電気・無線に関する専門授業を受けていない

  2. 社会人になってから
    三陸特・4級/3級アマチュア無線 → 養成課程を受講(数年前)
    二陸特・二海特・航空特 → 国家試験合格で取得(1年前)

なんだ、前提知識あるじゃん、と思われますが 一陸特と他の特殊無線技士の資格では試験で問われる分野が 異なる(特に工学)ので、実質最初から勉強したようなものです。 *1

この資格を目指した理由

2陸特までで正直終わりにしようと思ってました。 国内で電波を出せる最低限の資格だけ取れればいっかー、と考えていたからです。 *2

1陸特からは、個人的に計算問題が格段に難しいと感じられたからです。

技適の特例ができたから

とか言っていたら、電波法の改正により 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度ができました。

これは、Wi-FiBluetoothの機器で、国内の認証が取れていない機器が 届出をすれば一定期間使用できる、という制度です。

FCC ID(米国)やCEマーク(欧州)などの規格を取得できているものは誰でも申請できます。
海外認証を取得したか分からないものに関しては、無線従事者の資格を持っている人が 機能を確認して届け出ればOK。という制度。 必要な資格は一陸特以上。

あれ?これ資格持ってたら無線のおもちゃで色々遊べるんでは?
ってことで勉強することに。*3

勉強概要

過去問を過去5年分やる!

法規と無線工学で共通のやり方です。

一陸特は1年に3回試験があって、午前と午後の問題が異なるため
5×3×2=30回分
結構あります。ただ、午前・午後はこれまで似通った問題が 出ている部分もあるので、まとめて勉強可能です。

ありがたいことに、無線従事者の資格は公式サイトで
問題と解答(解説なし)が直近2回分まで公開されています。

試験問題と解答 | 公益財団法人 日本無線協会

これを使います。また、それ以前のものはこちらのサイトで まとめてダウンロードできるようになっています。とてもありがたい。

kemanai.jp

最初はわけわからないので、たぶん1回分の試験はすごく短時間で終わります。
分からないものは回答できないので。
1日1回分ずつとにかくやってみる。
どのくらい出来ないのか、どんな問題が分からないかを把握するだけでOK。

ちなみに私は試験の2週間前まで無線工学が合格ライン(24問中17問正解)に達しませんでした。
最初のころは6問くらいしか、問われている内容が分かりませんでした。
その6問ですら間違っていることが多かったです。

法規の方も、あやふやに覚えていて過去問によっては不合格になる回も。
でも結果的に合格ラインまでなんとか行けたため、何かのご参考になれば。

過去問をA4サイズで1ページに4ページ分に縮小して印刷

↓で単語カードを作るため、小さく印刷します。 1回分が2ページくらいに収まるので、解答はサクサクできます。*4

過去問で間違えた問題は単語帳を作り、移動時間に眺める

勉強を始めたのが試験の2か月前だったため、ノートを作る余裕はなく、単語帳をノート代わりにしました。

こんな感じで最終的に無線工学と法規(+計算問題)の2冊のカード帳を作りました。

表側に間違った問題を貼り

裏側の左上に表側の問題の回答を記載し、余白部分に解説などを記載。

A7サイズの単語帳だとが持ち運びしやすく、説明などを記入するのにちょうど良いサイズでした。*5
イコールというところのを使っていました。

イコール 単語カード A7サイズ 無地【ピンク】 P320D

表紙がカラフルで丈夫なのと、台紙も割としっかりしているのでカバンに無造作に入れてばらけにくかったです。

試験当日も、受験に必要な持ち物以外はこの単語帳のみ、という超軽量装備でした。

所要時間

勉強していた期間は、約2か月(平均すると1日30分~1時間くらい??)
受験申込してから取り組んだので大体このくらい。

最初の1か月は計算問題メインで、残りは単語帳のカード作っていました。
試験間際に、過去問をもう一度5年分解いて、まだ間違う部分は 再度カードを作り足し...という感じでした。

試験について

試験時間はかなり余裕あります!

試験は、工学24問と法規12問 を 3時間 でマークシート
ゆっくり解いて見直しをしても、他の資格試験と比べて時間が足りない!ってことはないです。*6

試験開始1時間か1時間半後くらいから、終了30分前までの間は途中退出ができます。
私が受けたときは、大半の人が途中退出していました。
私も最後まで残りませんでした。

  • なので計算問題頑張ろう!
    そのため、毎回5~7問出ている計算問題は、少しでも解けるように。
    過去問をやっていれば1問か2問は解ける...はず。

で、何点取ったの?

得点の開示は有料なのでしませんでしたw
自己採点ベースですが、上記の勉強方法・期間で

  • 法規 11問 (満点12問/8問以上合格)
  • 無線工学 19問 (満点24問/15問以上合格) でした

法規は満点目指してたので、1問落として悔しい。
工学はかなり危うかった...けど合格できました♪

使った参考書とか

長いのでページ分けます。 分からない部分のカードを作るために使った参考書です。

法規

電波法関連は改定が多いため、基本的には総務省の電波法のページで、該当部分を1つ1つ見ていきました。

https://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a720010001.html
https://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a720020001.html
https://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a720810001.html
https://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a723520001.html

あたりを参考に。
法律だとどうしても漢数字やややこしい文章なので、別途分かりやすくまとまっている教科書も一部使いました。

一陸特の勉強で使った本 法規編

無線工学

どの本も通して読んではいなくて、分からない部分や間違った部分のところだけを読んでいました。

一陸特の勉強で使った本 無線工学編

*1:例:変調方式の問題だと、 一陸特はデジタル変調が主、 二陸特などはアナログ変調について聞かれることが多い

*2:実際に使うには、従事者免許に加えて無線局の免許や各種届出が必要だったりしますが

*3:一陸特以外の資格は、もっと無線の知識が必要な上級資格。加えて、試験科目に英語やモールス信号に関する実技が必要な場合が

*4:分からなくて解けない、というのもある

*5:2陸特や2海特、航空特の時はもう一つ小さいA8でOKでした

*6:わからない問題は、時間をかけても分からない...